風薫る五月空には大きな雲の波。太陽の力強さに夏の訪れを感じさせます。
春夏秋冬をそれぞれ6つの節に分けた二十四節気で暦をみると、今年は5月21日に小満を迎えます。草木が育ち万物の成長が天地に満ち溢れる季節です。
梅の実がなり、田んぼの青さが目に美しい時期。天候がぐずつく走り梅雨もこの頃から。全国各地でお花にちなんだお祭りが催されています。菖蒲や紫陽花も見ごろになりますね。
今月は華やかさに心が弾みがちですが、行楽を楽しみつつも、内面ではしっかりと下半期にむけた準備や段取り、勉強といった屋台骨の構築に力を注いでください。
茅の輪くぐりで6月の夏越し祓い
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6月1日は衣替え。冬服から夏服へ。私たちの暮らしも夏へと移り変わります。
そして6月の晦日(30日)はちょうど一年の折り返しを迎える節目。この日、多くの神社で恒例式となっている、半年間の穢れを祓い清める大祓があります。
年2回とりおこなわれ6月晦日の大祓を夏越の祓(なごしのはらえ)と呼びます。(12月晦日は年越しの祓と呼びます。)どちらの大祓も人形を用い、半年の間に溜めてしまった日頃の穢れを祓い清めます。
6月夏越しの祓で代表的な厄落としの行事が「茅の輪くぐり」です。
6月の上旬から中旬にかけて、神社の神前には茅や藁で編まれた大きな「茅の輪(ちのわ)」が組まれます。輪をくぐることで心身を清め厄を祓うのです。
くぐり方もお作法アリ。「祓い給え 清め給え 守り給へ 幸へ給え」と唱えながら3回(左・右・左周り)八の字を描くように茅の輪をくぐり、最後にもういちど輪を通りまっすぐ神前に進み、二拝二拍手一拝、というもの。
こうして次の半年の健康を祈るのです。唱え言葉も種類があります。そこ様に合わせたお作法でお参りくださいね。
難しそうだな〜お感じのウラスピ読者の皆様、どうぞご安心を! くぐり方などお作法はちゃんと書かれていますから初めての方も大丈夫ですよ!
茅の輪くぐりも千差万別です
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夏越の祓は地域や神社によって違いもあります。通常は一連の茅の輪が組まれますが、奈良県の三輪神社では「三輪大明神縁起」にちなんだ三つの茅の輪が並びます。
出雲大社では神職が持つU字型の茅の輪を参拝者が縄跳びのように飛び越える「輪くぐり神事」など趣が変わります。
ちなみに茨城県の笠間稲荷神社では、日本一と言われる6メートルの巨大な茅の輪を車が通り交通安全を祈願するという、珍しい車の茅の輪くぐりパレードがありますよ。(6月25日開催)
清浄を尊び清らかさを常とする神道。穢れは「気枯れ」と言われるように、知らぬ間に身についてしまう穢れは病気や災いの元になります。
半年に一度みずから振り返り心を洗濯する機会ではないでしょうか。大祓で心身の穢れ、もろもろの災い、罪・過ちを祓い清めましょう。夏から秋へと向かう新しい流れに軽やかに飛び乗りましょう!