春、「折形」に心を込める

春、「折形」に心を込める

私たちの生活に度々登場するのし袋や掛け紙は、日本に伝わる作法「折形」というもの。丁寧に生きることを教えてくれる「折形」は、様々な場面で気軽に、そして粋に使うことができ神聖なエネルギーを生み出します。日本の美学ともいえる「折形」についてスピリチュアルライフアドバイザーのKAORUがお伝えします。


出典:Image by auntmasako on Pixabay

「折形」とは

「折形(おりがた)」とは、白い和紙を折り、ものを包むことをいいます。白い和紙で包むのは、穢れを祓い贈り物を清める作用があるからです。身近なものでいえば、のし袋や掛け紙、祝い箸の袋、ぽち袋などが「折形」です。

「折形」は、室町時代から始まり約600年の歴史があります。三代将軍足利義満が武家独自の礼法として「折形」を制定、直接将軍と公式に会うことのできる武家(大名や旗本)のみが使うことができました。この頃の武家では、包まぬことは無礼、織物や弓矢・矢羽根、扇など「折形」で包み贈り物としていたそうです。

江戸時代になると裕福な商人が礼法を学ぶようになり、また、明治時代には、女学校教育の一つとされ女性の間で広まっていきます。戦後になると西洋の生活習慣が浸透し「折形」の姿は少なくなっていきますが、相手を敬い良い関係を築くことへの祈りから生まれた美しい礼法は、日本の美学ともいえるのです。

 

「折形」生活の中に

「折形」というと馴染みがなく難しく感じるかもしれませんが、日常の様々な場面で使う機会があります。「折形」には、和紙の他に懐紙を使うこともできます。普段持ち歩くことができるので、とても気軽に、そして粋に包むことができます。今では、和風のリボンやシール、柄の入った懐紙も売られているので利用すると「折形」が楽しみやすくなります。

例えば、懐紙で作るのし袋は、ぽち袋や旅館に宿泊した際の心付けに重宝します。また、お菓子やメッセージカードを包むことや、箸袋や箸置きを折ることもできます。「折形」の本も販売されているので手元にあるとても便利です。

春は始まりの季節であり慶びごとも多いですね。進学や就職、結婚など新たな門出のお祝いや、お礼状やお返しなどの感謝の気持ちを贈るとき、また、おくやみごとの場合にも「折形」に心を込めてみれば、きっと相手の心に寄り添うことができるでしょう。


出典:無料素材画像 写真AC

 

【包むときの基本的な決まり事】

《慶事》

のし袋は、左→右→上→下の順に折る

(包みを右手で開けるようになる)

掛け紙の裏の合わせは、右が上になる

《弔事》

のし袋は、右→左→下→上の順に折る

(包みを左手で開けるようになる)

掛け紙の裏の合わせは、左が上になる

 

春、「折形」に心を込める

「折形」に習い、和紙や懐紙を折るときは、手を清潔にして心を落ち着け折り始めます。相手を敬い感謝と謙虚な心を「折形」に込めてみれば、清らかで美しい神聖なエネルギーが宿ります。宇宙の太陽と月が循環し季節が繰り返し巡ってくるように神聖なエネルギーは、その心のまま再び自分に巡り良い関係や発展の機会を創造します。つまり、宇宙の流れに乗るということなのです。

飽きっぽい私が、懐紙を持ち楽しむことは続いています。フラワーアレンジメント、英会話、バレエなど、興味をもっては飛びつき、途中で諦めたり放り出したりしてきました。それでも、懐紙を使うことは楽しく友人にもハンカチの代わりに使えて便利だからとプレゼントすることもあります。知人が取ってくれたコンサートのチケット代を懐紙に包み渡してみる、お土産に添える手紙も懐紙に書いては心を込めて折ってみる。つい「まっいっか。」と手抜きをしてしまう日常もありますが、懐紙で「折形」を折るときは、丁寧に生きていると思える瞬間、心が落ち着きます。

年齢を重ねてくると物事に安易に飛びつくことが無くなりました。自分というものを、見極める力がついてくるのかもしれませんね。宇宙の流れに乗ることができているかしら。買ったばかりの春の懐紙、一足先に咲く桜の花に心が包まれます。

 

 


スピリチュアルライフアドバイザー:KAORU